更新日:2025年8月15日

 

本日ここに、戦没者のご遺族をはじめ関係の皆さま、ご来賓の皆さまのご列席のもと、

令和七年度瑞穂市戦没者追悼式を挙行するにあたり、市民を代表し、謹んで式辞を申し上げます。

 

先の大戦において、祖国の安泰と家族の平和を願い、戦場に赴かれ、

かけがえのない命を捧げられた御霊の御無念さを思うと、悲しみは尽きません。

ここに、深甚なる哀悼の意を表します。先人の皆さまの尊い犠牲の上に、

今日の平和と繁栄が築かれていることを、今一度、深く胸に刻まなければなりません。

 

戦後八十年という歳月が流れましたが、戦争がもたらした惨禍と悲しみは、今も私たちの心に焼き付いています。

かけがえのない家族を失った深い悲しみ、焦土と化した街並み、飢えや病に苦しんだ先人の皆さま、

その一つ一つが歴史の教訓として、後世にどのように語り継いでいくべきか考える時にあると思います。

 

一方、世界に目を向ければ、終わりが見えないまま長期化しているロシア・ウクライナ戦争をはじめとする

武力衝突が発生し、尊い命が奪われ、生活の基盤を失った多くの人々が苦しんでおられます。

このような報道に触れ、平和は決して与えられたまま続くのではなく、不断の努力と相互理解によって

守られるべきものであることを、私は改めて強く感じます。

 

現在、我が国では、戦争を経験したことのない世代が約九割を占めるまでになりましたが、

平和とは、単に争いがない状態だけを指すものではありません。人々が心身ともに健康で、

生きがいを持ち、互いを尊重しあう「持続的な幸福(ウェルビーイング)」の実現こそが、

真の平和の姿であります。

そのために、私たち一人ひとりが、戦争での尊い犠牲や悲惨な記憶を風化させることなく、

世界の恒久平和のための努力を積み重ねていくことが、今を生きる私たちの責務だと考えます。

 

当市は、「人権」・「平和」・「環境」の三つを柱に、いくつもの事業を展開しております。

平和の大切さや先人から受け継がれてきた美しい自然・伝統・文化を、

未来に向かって大切に継承し、幸せで安心して暮らせる瑞穂市を築いていくことを、

御霊にお誓い申し上げます。

 

本日ご臨席のご遺族の皆さまには、長きにわたり、かけがえのないご家族を失われた深い悲しみを

抱えながらも、社会の発展と地域の支え手としてご尽力いただきましたことに、

心から感謝と敬意を表します。

 

 

結びにあたりまして、すべての戦没者の御霊の安らかならんことをお祈り申し上げますとともに、

平和で争いのない、すべての人が幸福に暮らせる社会の実現をお誓いし、式辞といたします。

 

 

 

令和七年八月十五日
瑞穂市長 森 和之