更新日:2023年8月24日

すなみ柿とは

 全国的に有名な甘柿「富有柿」は瑞穂市が発祥の地ですが、もう一種、瑞穂市で誕生した柿があります。それが「すなみ柿」です。

 すなみ柿は、柿と苗木の育成にその生涯をついやした巣南町(すなみちょう、現在の瑞穂市)出身の杉原作平氏が発見し、品種登録を行った柿です。

すなみ柿

すなみ柿の誕生

 杉原作平氏は、昭和13年頃に定植した「富有」柿の1枝に、大果で着色の早い果実がなるのを発見しました。その枝より穂木を採取して実生の苗に接木したものを定植し、生育過程、果実の肥大等を観察したところ、「富有」と比較して幾多の異なる特性が判明しました。
 その後、試作樹を育成しましたが昭和51年の集中豪雨により、試作樹はほとんど枯死してしまいました。生き残った1本の原木の回復を待って穂木を採取し、育成を続けたところ、昭和59年から結果し始めたので岐阜農業試験場に特性調査を依頼し、この品種の特性を確認しました。そして柿の新品種として登録申請し、昭和63年8月18日、新品種「すなみ」柿として登録されるに至りました。新品種発見から登録まで、実に半世紀に及ぶ道のりでした。
 原木が植えられた十七条字花田町には、その偉業を称えた顕彰碑が建てられています。

杉原作平氏 杉原作平顕彰碑

希少甘柿「すなみ柿」

 すなみ柿は、富有柿の枝変わりの品種のため味わいは富有柿に似ていますが、富有柿より一回り大きく育ち、一足早い10月下旬から収穫が始まります。そのため贈答品にされることがあるようです。しかし、その栽培面積は非常に小さく、発祥の地である当市でも出荷量が限られ、大変な希少品種であると言えます。