更新日:2017年6月29日
 現段階で、認知症の予防に効果があることがわかっているのは運動ですが、それ以外でも食事や睡眠など、生活習慣に気をつけたり、脳を活性化する活動をすることが予防に効果があると考えられています。認知機能の改善も期待できます。

ポイント1 運動(身体活動)など、積極的に体を動かしましょう

 ウオーキングや水泳、ジョギング、サイクリングなど有酸素運動が適しています。近年、骨格筋の収縮によってマイオカイン(myokine)という生理活性物質が分泌され、脳や全身によい効果を与えることもわかってきています。少なくとも2日に1度、20~60分程度行いましょう

ポイント2 青背の魚や緑黄色野菜を食べる機会を増やしましょう

 

 食事のポイントとしては、次のようなものが挙げられます。
ポイント  例 
青背の魚を食べる アジ、サバ、イワシ、サケ など 
緑黄食野菜をたくさんとる  小松菜、ブロッコリー、ニンジン、ホウレンソウ、モロヘイヤ など 
水分補給を忘れずに 脱水症状にならないように1日1~1.5リットルを目安に水分をとりましょう
よくかんで食べる よくかむことは消化によいだけでなく、脳の血流を増やし、脳の刺激にもなります。 
飲むなら1合程度に アルコールを飲むなら、日本酒換算で1合程度にしておきましょう。
日本酒1合=ビール中瓶1本=グラスワイン2杯弱 

ポイント3 30分程度の昼寝をしましょう

 昼間に30分程度の昼寝をすると、アルツハイマー型認知症の予防に役立つことがわかっています。1時間以上寝ると逆効果となりますので、長く寝すぎないようにしましょう。夕方に寝ると夜眠れなくなりますので、時間帯にご注意ください。また、ウオーキングなどの運動と上手に組み合わせるとよいでしょう。

ポイント4 生活リズムをととのえましょう

 朝起きたら朝日を浴び、食事や睡眠の時間など規則正しい生活を送り、はつらつと毎日を過ごすようにしましょう。

ポイント5 脳を鍛える活動にとりくみましょう

 日記をつける、調理や食事を楽しむ、新聞や本などを読む、カラオケや園芸など趣味を楽しむ、囲碁、将棋、マージャンなどのゲームを楽しむ、観察会やウオーキングなどお住まいの自治体のイベントに参加する、ボランティア活動に参加する、旅行など計画から楽しむ、自分史を書いたりすると脳が刺激されます。

注意! 持病などのコントロールなどにも気をつけて

 高齢期になるとさまざまな持病を持っていることがよくありますが、持病をよくコントロールして悪化させないことは認知症予防のためにも重要なことです。とくに糖尿病や、高血圧、うつ病などは認知症と関係が深いことが知られています。また頭部のケガも認知症の発症につながりやすいので、転倒に気をつけましょう。