畦地さんの写真
瑞穂市の新・新旧・旧住民1
 人口減少社会の中でも、なぜか人口が増加し続けている瑞穂市。その理由は、主に穂積駅に行きやすい地域内に、多くの一戸建て住宅やアパートが建設されていることにあります。特に、私たちが通う朝日大学周辺の地域では、つい最近まで水田だったところが、急に住宅になっていることもしばしばです。
 どうして瑞穂市には多くの人たちが引っ越してくるのでしょうか?また、新しく越してきた人たちと古くから住んでいらっしゃる方の間には、どのような考え方の違いがあるのでしょうか?今回の連載では、「瑞穂市の新・新旧・旧住民」と題して、4名の方にインタビューしました。
 ここでの新住民は最近になって瑞穂市に越してこられた方、旧住民は先祖代々お住まいになっている方です。“新旧住民”ですが、おおよそ第1次ベビーブーム世代で、1970年代に子育てなどのために家を構えられた方を指すこととします。また、取材の都合で瑞穂市全体ではなく、朝日大学近辺にお住まいの方からお話しを伺いました。他の地区とは状況や歴史が異なるかもしれないことを、あらかじめお断りしておきます。
 さて第1回の今回は、新住民の方からのインタビューです。この4月に野田新田に引っ越してこられた畦地清信さんに、住んでみて数か月の瑞穂市の印象について尋ねてみました。
 畦地さんは、元々は北海道出身ですが、仕事の都合で長いこと千葉県にお住まいだったそうです。3月末に退職され、札幌の(人に貸している)自宅に戻ることも考えたのだそうですが、瑞穂市内在住の息子さんの勧めに従い、奥様と野田新田に転居されたということです。札幌に住んでいると、何かあったときに大変ということと、孫の顔をなかなか見られなくなるということも決め手になったとのことです。
 まさか自分が縁もゆかりもない岐阜に住むことになるとは思ってもいなかったそうで、都会暮らしが長かったせいもあり、正直なところ市内は「田舎だ」と感じられているそうです。毎朝のウォーキングを欠かさない生活をしており、現在は自宅のすぐ脇を流れる五六川堤防を、毎日“清流緑の丘公園”あたりまで往復しているとのことでした。牛牧閘門の説明板で、すっかり川崎平右衛門について詳しくなったそうです。また堤防上からは遠くまで見渡せることもあり、野鳥も多く、「田舎ならでは」のノンビリした生活を味わっているとのことでした。
 買い物については、まだ元気で自動車の運転もできるので、それほど不自由していないとのこと。また、近所に売っていなくて入手しにくい物はネットを使って買えるので、そこでの「田舎」は全く意識していないということでした。ただもし運転免許を返納し、ネットも使えなくなると、買い物には不自由することになるかもしれないとおっしゃっていました。
近所の人たちが早起きなことには、少し驚いているそうです。例えばゴミ出しが7時前に終わっていたり、7時過ぎには出勤や小学生の登校が始まっており、他地域に比べて早いと感じているそうです。ただ、岐阜市郊外出身の松尾の意見としては、小学校に早く着いて遊んだりプリントをやったりすることが多いため、「田舎だから」というより、地方による習慣の違いかもしれないと思います。
 近所づきあいについては、息子から強く「自治会には必ず入ってくれ」と言われたために入会したが、入会金があることに驚いたとのことです。また、溝さらいやゴミ回収所の当番(いずれも年1回)があるのにも戸惑ったそうですが、新しく越してきた者としては、きちんと近所づきあいをしていかなければならないと思っているそうです。これまでの人生で転勤・転居が多く、様々な場所に住んだ経験があるので、そのあたりは心得ているとのことでした。主な地域の情報源は床屋さんで、朝日大学の学生の噂話も聞いたりするそうです。
 この後、息子さんと内輪の雑談(忍路丸がどうしたとか)を始めてしまい、それ以上は瑞穂市について伺うことはできなかったのですが、概ね満足されているようです。奥様が本好きのため、瑞穂市図書館本館が直近にあるのも非常に便利だとおっしゃっていました。
(朝日大学経営学部ビジネス企画学科3年松尾沙希・仲西祥真、教授・畦地真太郎)
平成30年9月12日更新
図書館を2階から撮影したようす
瑞穂市のすごい図書館4 きれいな本が読める町
 今回のタイトルには含みがあります。公共図書館で、きれいな本が読めるということには、良い点と悪い点があります。
良い点は、もちろん汚いボロボロになった本よりも、きれいな本を手に取る方が気持ちよいということです。特に児童書は、親が十分に気をつけているつもりではあっても、どうしても汚したり破ったりしてしまいがちです。残念ながら利用者数の多い県図書館では、特に人気のある児童書では多くの補修がされている場合があります。また、近年では書き込みや必要な部分を切り取る人だけではなく、全ページ電子化するためでしょうかバラバラにする人などもいるそうです。県図書館には様々なトラブルを展示してありますが、今のところ瑞穂市図書館の利用では嫌な思いをしたことがありません。
 職員の皆様がたのご尽力も大きいと思います。連載第1回で学生が書いていましたが、私が本学に着任した15年前(丁度、瑞穂市が合併するタイミングでした)には「なんて田舎に来てしまったのだろう」と思ったような、所蔵(開架)数と状態でした。一言で言うと「読みたい本がない」。私はあまり小説を読まずに「○○の歴史」「図解○○」のような豆知識本で暇つぶしをする方なのですが、当時は非常に古い本が、バラエティ乏しく並べられていたのを覚えています。一方現在は新しい本が並べられ、しかも「読みたい」と思える(もしくは新聞などの書評欄で高評価を得た)書棚になっています。これは、司書さんを始めとしたスタッフの方々が勉強と努力を重ねながら、利用者に役立つ図書館を目指した成果なのでしょう。うちの学生には「司書さんに聞いて調べろ!」と丸投げするようなことを言っていますが、蔵書の内容を非常に良く把握されており、私などが当てずっぽうに書名を挙げて探させるより、ずっと頼りになります(いつも大変お世話になっております)。
 また、既に書いたことですが、妻によると「読みたい本は希望を出せば、すぐに入れてくれる」と。これもベストセラー小説は順番待ちになったり、あまりにもマイナーな本は判断によるということになるでしょうが、利用者の希望が通りやすいことは確かなようです。
 一方で、きれいな本が読めるということには悪い面もあります。それは「もしかして蔵書数に比べて、利用者数が少ないのではないだろうか?」ということです。瑞穂市図書館の人口1人あたりの蔵書数は(様々な数字があってよく分からない部分もあるのですが)およそ4冊強のようです。これは、岐阜市の3倍、大垣市の1.5倍程度です(ただし一般的に、人口の少ない自治体の方が有利な数値になります)。一方で貸し出し数は、これも数字が色々あるのですが、およそ人口1人あたり7冊強です(これも人口の多い岐阜市・大垣市よりは高い数字です)。我が家のように、絵本ばかり年間100冊は借りているであろう世帯を考えると、全体的には「全く利用していない人」も多いものと思われます。
 スマホやネットで事足りてしまう昨今、読書にいそしむというのは時代に合わないのかもしれません。一方で、本はネットにはない「責任のある執筆者の存在」「体系的な知識のまとまり」「物として(いつのまにか情報が)消えない」という利点があります。特に地域について調べるときには、図書館が充実しているということは大きな強みとなります。
 瑞穂市図書館では、主に子供たち向けのイベントを定期的に開催し、本好きを育てようと努力しています。しかし、大人が熱心に読書をしている姿を見せなければ、子供は本を読まないでしょう。読書を通じて自学自習をしていく人たちの住む瑞穂市を作るためには、本学図書館も含めて多くの人に、より図書館に目を向けてもらうことが必要なのだと考えます。
(朝日大学大学院経営学研究科教授・畦地真太郎)
平成30年9月5日更新
撮影場所:図書館本館
撮影日:平成30年8月24日
図書館分館で本を読む畦地教授の写真
瑞穂市のすごい図書館3 (瑞穂市図書館 分館)
 我が家の5歳児をひきつれて、幼児のハートをガッチリわしづかみにして離さない瑞穂市図書館 分館にやってきました。取材半分と、公的な場を用いてイクメン・アピールするのが目的です。
 分館は巣南庁舎隣の西部複合センター2階にあります(みずほバス「十九条古橋線」巣南庁舎バス停徒歩3分)。本館の方が、先週の学生による記事にあったように「一般書」と「郷土資料」に特化しているのに対し、分館の方は「児童書」と「女性のための本」に特化しています。もちろん本館にも充実した児童書コーナーはありますし、分館にも一般書やブラウジングはありますので、念のため。
 しかし、分館の児童書は桁外れです。どのくらい桁外れかというと、県立図書館にもない本が、ここに来れば何の苦労もなく借りられる、というレベルです。例えば「ノンタンことば絵事典」は県立図書館では禁帯出になっています。我が家では分館から貸し出しの延長に次ぐ延長で、しまいには「このままでは最終的に本を傷めてお返しすることになるのではないだろうか」という判断で中古本を(絶版プレミア価格で)購入したほど、借りられました。ちなみに子供は、自分の本となった今でも毎日食い入るように繰り返し読んでおります。子供がこれだけ夢中になるような本を置いて貸し出ししていただけたことは、本当に有り難いと思います。
 私が“日本うどん学会評議員”という関係で、岡田よしたか「うどんのうーやん」を買って読み聞かせました。子供は大喜びで大ファンになりました。岡田さんの現在の全作品は22冊のようですが、さすがに全てを買うことはできません。ところが分館には全てが揃っています。かりるしかないやろ。というわけで(中には幼児ではなく児童向けの書籍もあるのですが)親子共々「岡田よしたか全作品読破」をしてしまいました。他、我が家で人気の作家さんとしては、五味太郎さんも全冊揃っているように見えます。
 このように、蔵書が非常に充実しており、しかも明らかに良書が選定されて揃っているのが、分館の特徴です。司書とスタッフの方々が大変に研究されて、流行り物・人気のある物(例えば「きかんしゃトーマス」「うさこちゃん」シリーズ)だけではなく、児童・生徒の身になる物を考えて配架されていることがよく分かります。これは、若者の町・子育ての町としては強力な利点になるのではないかと思います。
 児童書コーナーのあり方自体も、落ち着いて本を手に取り、子供と選び、あるいは読み聞かせができるような工夫がされています。本も美品ばかりで、傷んでいたり補修されているものはほとんどありません。とはいえ…それはもしかすると利用者が少ないということなのかもしれません。もしそうだとするならば“瑞穂市の宝物”を持ち腐れにしているようなことであり、あまりにももったいないことだと思われます。定期的に開催されているイベントも含めて、もっと市民が活発に利用するようになれば良いと思うのですが…紙幅が尽きましたので、連載第4回でふたたび。
(朝日大学大学院経営学研究科教授・畦地真太郎)
平成30年8月29日更新
撮影場所:瑞穂市図書館分館
第63回みずほ汽車まつりのようす
第63回みずほ汽車まつり開催!
 思えば先週のビア・マルシェで降った雨が豪暑の終わりを告げたようで、今週末は打って変わって過ごしやすい気候となりました。イベント日和の涼やかな夕暮れ、2日間(2018年8月18日から19日)に渡って瑞穂市伝統の夏祭りが開催されました。第63回(!)みずほ汽車まつりです。
マンボの連載の時にもご紹介しましたが、穂積駅は1906年8月1日に、地元の陳情と誘致によって開業しました。その前には、地域の人たちが東海道線敷設に尽力したということも、述べたとおりです。汽車まつりは当時の人々の喜びと、穂積駅を中心とした町の発展を祝うために、1956年から開催されています。過去には8月1日や、8月第1週土日に開催されていた時期もあったそうですが、数年前から8月第3週土日に定着しているそうです。今年の暑さを考えると、この時期設定で大正解のように思います。
 さて、さすがは伝統のお祭。会場の瑞穂市穂積庁舎周辺は、先の夜市やビア・マルシェが開催された穂積駅前より圧倒的に広いこともあり、多くの来場者で賑わっていました。11月には巣南庁舎での“みずほふれあいフェスタ”、不定期に行われる“さい川さくら公園”のイベントなども大がかりですが、こちらも負けてはいません。テントが立ち並び、綿菓子、焼きそば、焼き鳥などの食べ物の他、金魚すくいなどの、いかにも“夏祭り”という風情の屋台で一杯です。浴衣姿の子供たちが多いのも印象的です。小中学生と思しき一団が「何食べる!?」などと嬉しそうにはしゃぎながら通り過ぎていきました。会場の位置関係上、やはり穂積地区の参加者が多いらしく、妻子は保育所の同クラスの人たちと、私は市内の様々な方々とすれ違って挨拶をしました。そういう意味でも、誰もが楽しみに一緒に参加できる、良いお祭りです。
 さて“汽車まつり”として忘れてはならないのが、汽車の存在です。会場には蒸気機関車D51の模型が展示されていました。この模型は一種の山車として、穂積駅から会場の穂積庁舎まで子供たちが引っ張っていったそうなのですが…今年はやっていないですよね?(何年か前から取りやめたというような話を聞いています)。穂積駅が開業した喜びを今に伝えるという意味で、なくてはならないオブジェだと思います。
 もう一つ、総合センター横の公園では、県立岐阜工業高校の生徒さんたちによる、ミニSLの運行がされていました(18日のみ)。生徒さんは(モーター負荷を気にして)乗客数を加減したり、テキパキと乗降を整理したり、事故のないよう子供たちの動きに気を配ったりと、プロフェッショナルな動きをしていました。あちこちのイベントにボランティアで参加されているそうで、子供たちに笑顔を与える活動には頭が下がります。
 もちろん主催者のご努力も含め、こうして多くの方々のご協力によって思い出に残る夏祭りにしていただけるということは、地域住民として本当にありがたいことだと思います。今年は関係各位のご尽力の甲斐もあり、長い歴史の中で過去最大の人出になったそうです。
 さて不定期に3つの夏祭をご紹介していきましたが、瑞穂市内にはまだまだ沢山のフェスタや祭事があります。ここでいきなり宣伝です.汽車まつり会場で綿菓子を売っていた“朝日祭実行委員会”の手による「第48回朝日祭」が、10月19日から20日(金・土)に開催されます。主に学生の手による模擬店あり、盛りだくさんのイベントありで、学生自身だけではなく地域の皆様方にもお楽しみいただける大学祭となっております。委員長・副委員長は、このコーナーで2016年度に美江寺宿の記事を書いた、畦地ゼミの大西さんと棚橋くん。ちなみに汽車まつり会場で腱鞘炎にならんばかりの勢いで綿菓子を作りまくっていたのが委員長です。その勢いに任せ、汽車まつりに負けない史上最大規模の集客を狙って活動していますので、皆様ぜひお越しくださいませ!
(朝日大学大学院経営学研究科教授・畦地真太郎)
平成30年8月22日更新
撮影場所:瑞穂市役所穂積庁舎
撮影日:平成30年8月18日
ほづみ夜市を楽しむ市民の皆さんの写真
穂積駅前ビア・マルシェ
ほづみ夜市の原稿を書き上げたとき、ビア・マルシェの出だしは「諸君、私はビールが好きだ」にしようと思っていました。しかし、それはこう修正しなければなりません。「諸君、私は雨男だ」。学会発表で出張すると常に雨、もしくは台風。調査に出かけると悪天候で飛行機が飛ばない。そんな私めが取材に赴いたせいで、ビア・マルシェ3日目は大雷雨に見舞われてしまったのでした。すみません…。
「穂積駅前ビア・マルシェ」は、今回初めての試みとして穂積駅北口で開催されました(2018年8月10日から12日、16から21時)。事情により10日、11日は行けなかったのですが、「日曜(12日)は4時から9時までガンガン飲みつづけてやろう。札幌出身者を舐めるな(?)!」と意気込んでおりました。
が、残念ながら自宅を出るころから雷鳴轟き始め、開場の16時からは豪雨となってしまいました。駅舎内にはスマホで天気を確認する人、電話している人、「タクシーで帰ろう」と相談している人たちで一杯。残念ながら“ビール”という雰囲気ではありません。私も、たこ焼き1つを手土産に、早々引き返すこととなってしまったのでした…。
これだけでは全く記事にならないので、現場で降雨対策をしていた市役所のBさんを捕まえて、取材を敢行しました。
まず10日・11日は大盛況だったとのことです。来客者の傾向にも特徴があって、10日(金)は会社帰りの人たちが徐々に増え始め、イベント終わりの21時頃には大盛り上がり。後片付けの横でまだ飲んでらっしゃる方がいるほどだったそうです。一方で11日(土・祝)はお盆にも重なる休日ということもあり、16時頃からほぼ満員だったとのこと。両日はイベントとして、まずは成功した模様です。イベントがある限り、確実に集客があるという点において、穂積駅の潜在能力の高さが窺い知れます。
私は「ほづみ夜市」の記事で常設店舗が欲しいということを書きましたが、このビア・マルシェでは、夜市のスタッフ(出展者)が「今度は我々が楽しむ番!」と集っていた姿が印象的だったとのことでした。これは、常設店舗では見られない風景かもしれません。手作り感のあるイベントが継続して開催されることで、関わった人たちの絆が深くなり、広がっていくのであれば、そこから瑞穂市全体の一体感を創り出していくこともできるのかもしれません。
雷雨の中、周辺自治体の首長様ともお話しすることができました。その自治体でも、もちろん様々なお祭りイベントを開催されているのですが、「瑞穂市には穂積駅があるのがうらやましい」とおっしゃっていたのが印象的でした。もちろん、その自治体には瑞穂市から見るとうらやましい施設があり、新たな交通拠点もできました。穂積駅と結ぶバス路線も整備されたことですし、これからも各種イベントを通じて圏域全体での盛り上がりを考えていけるといいですね。
さて帰宅後、夕闇の頃には雨は小止みになっていたようでしたが…果たしてその後、3日目は持ち直したのでしょうか…本当にすみませんでしたっ!
(朝日大学大学院経営学研究科教授・畦地真太郎)
平成30年8月15日更新
撮影場所:JR穂積駅前
撮影日:平成30年8月11日(ビア・マルシェ2日目)