○瑞穂市認知症初期集中支援事業実施要綱

平成29年2月22日

告示第33号

(趣旨)

第1条 この告示は、市の認知症初期集中支援事業(認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で暮らし続けるために、認知症が疑われる者、認知症の者及びその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断及び早期対応に向けた支援体制を構築するための事業をいう。以下「支援事業」という。)の実施に関し必要な事項を定めるものとする。

(支援対象者)

第2条 支援事業の事業対象者(以下「支援対象者」という。)は、原則として在宅で生活している40歳以上の認知症が疑われる者又は認知症の者であって、次のいずれかに該当するものとする。

(1) 医療サービス若しくは介護サービスを受けていない、又は中断している者で次のいずれかに該当するもの

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結びついていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが、認知症の行動及び心理症状が顕著なため、その家族が対応に苦慮している者

(実施主体)

第3条 支援事業の実施主体は、市とする。ただし、市長は、支援事業の全部又は一部を適切な事業運営が確保できると認められる団体等に委託することができる。

2 前項の委託を受けた団体等(以下「受託団体」という。)は、緊急時における市との連絡体制が確保されていなければならない。

(実施体制)

第4条 市又は受託団体は、支援事業を実施するため、瑞穂市地域包括支援センター(以下「支援センター」という。)に支援チームを置く。

2 認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、専門職2人以上及び専門医1人の合計3名以上の者で構成する。

3 前項に規定する専門職及び専門医は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者をいう。

(1) 専門職 次のいずれにも該当する者

 保健師、看護師、准看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者

 認知症ケア又は在宅ケアの実務、相談業務等に3年以上携わった経験を有する者

 国が定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、必要な知識及び技術を習得する者

(2) 専門医 次のいずれかに該当する者

 日本老年精神医学会又は日本認知症学会の定める専門医であって、認知症サポート医である者

 認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とする臨床経験を5年以上有する者であって、認知症サポート医である者

4 第1項及び第2項において、第3条の規定によりチーム員の設置委託を行った場合における専門医に対する費用の額にあっては、市における介護保険の保険者がその管轄内の市町間の均衡を考慮して示す額(年額5万円に家庭訪問1回あたり8,000円を加算した額)を支払うものとする。

(支援チーム及びチーム員の役割)

第5条 支援チームは、家族の訴え等により支援対象者及びその家族を訪問し、当該支援対象者の状態の観察及び評価並びに家族支援等の初期の支援を包括的かつ集中的に行うなど、支援対象者の自立生活のサポートに資する支援(以下「初期集中支援」という。)を実施する。

2 専門職は、初期集中支援を実施するため、前項の規定による訪問活動等を行う。

3 専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関する専門的見識から他のチーム員への指導、助言等を行い、必要に応じて他のチーム員とともに支援対象者及びその家族を訪問し、相談に応じる。

(初回訪問時の支援)

第6条 支援対象者の家族の訴え等により初めて訪問(以下「初回訪問」という。)を行うときは、支援対象者及びその家族に対し、おおむね2時間以内にて次に掲げる支援を行う。

(1) 認知症の包括的な観察及び評価

(2) 基本的な認知症に関する正しい情報の提供

(3) 専門医療機関への受診及び介護保険サービスの利用の効果に関する説明

(4) 支援対象者及びその家族の心理的サポート、助言等

2 支援チームは、支援対象者のほか、その家族等あらかじめ協力の得られる者の同席の下、支援対象者から現病歴、既往歴、生活情報、家族の状況等の情報を収集する。

3 初回訪問は、原則として医療系チーム員(保健師等医療保健関係の国家資格を有するチーム員をいう。)と介護系チーム員(社会福祉士等福祉関係の国家資格を有するチーム員をいう。)が、それぞれ1人以上、あわせて2人以上で行うものとする。

4 前項の規定にかかわらず、やむを得ないと判断される場合においては、介護系チーム員及びチーム員でない支援センター等の保健師又は看護師で行うことができる。

(初期集中支援の方針等の検討)

第7条 支援チームは、初回訪問の後、支援対象者ごとに、認知症の観察及び評価の内容を総合的に確認し、初期集中支援の方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医を含めたチーム員による会議(以下「チーム員会議」という。)を行う。

2 支援チームは、必要に応じて、支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、市関係課職員等に対し、前項のチーム員会議への出席を求めることができる。

(初期集中支援の実施)

第8条 支援チームは、支援対象者が医療サービス又は介護サービスによる安定的な支援を受けるまでの間、次に掲げる初期集中支援を実施する。ただし、当該初期集中支援を実施する期間は、最長でおおむね6月までとする。

(1) 医療機関への受診が必要な場合は、その動機付け

(2) 継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援

(3) 介護サービスの利用等の勧奨及び誘導

(4) 認知症の重症度に応じた助言

(5) 身体を整えるケア

(6) 生活環境等の改善

(7) 前各号に掲げるもののほか、必要な初期集中支援

(初期集中支援終了後の活動)

第9条 支援チームは、初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合、支援センターの職員、担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法で円滑に引継ぎを行う。

2 チーム員会議は、前項の引継ぎの後に、支援対象者であった者の医療サービス又は介護サービスの利用状況等を評価し、支援の必要性を判断の上、随時モニタリングを行う。

(支援対象者の把握等)

第10条 支援対象者の把握にあたり、支援チームは、支援センターを経由して支援対象者に関する情報を入手するよう配慮するものとする。

2 支援チーム及び支援センターは、直接的に支援対象者に関する情報を得たときは、相互に情報共有を図るものとする。

3 前項の規定は、支援対象者の支援を実施している間に把握した情報について準用する。

(認知症初期集中支援チーム検討委員会の設置等)

第11条 市又は受託団体は、実施主体として医療、保健、福祉等から構成される「認知症初期集中支援チーム検討委員会」(以下「検討委員会」という。)を設置するとともに、検討委員会が関係機関及び関係団体と一体的に当該事業を推進していくための合意を得る場とするように努めるものとする。

2 検討委員会では、次に掲げる事項を検討する。

(1) 支援チームの設置及び活動状況

(2) 医療関係者等との連携を図るため必要と認められる地域医師会、認知症疾患医療センター等との協議事項

(3) 主治医(かかりつけ医)に対する情報の共有化に向けた検討及び地域での連携方法の構築等に関すること

(4) 前3号のほか、支援チームの活動等に必要と認められること

3 前2項に掲げる検討委員会は、瑞穂市認知症地域支援・ケア向上事業実施要綱(平成29年瑞穂市告示第32号)第5条に規定する協議組織をもって充てるものとする。

(普及啓発)

第12条 市及び受託団体は、地域住民や関係団体に対し、支援チームの役割及び機能について広報活動及び協力依頼を行う等の取り組みを行うものとする。

(情報共有)

第13条 市及び受託団体は、支援チーム、認知症疾患医療センター、医師会、かかりつけ医、認知症サポート医、認知症専門医、介護事業者等の医療・介護関係者と連携し、これらの者との情報共有に努めるものとする。

2 支援チームは、前項の医療・介護関係者、支援センターの職員、市保健師等と連携し、これらの者と情報を共有できる仕組みの確保に努めるものとする。

(個人情報の取扱い)

第14条 市及び受託団体は、支援事業で利用する個人情報については、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)瑞穂市個人情報保護法施行条例(令和4年瑞穂市条例第20号)その他関係法令に基づき、適正に取り扱わなければならない。

(書類の保管)

第15条 市及び受託団体は、支援対象者に関する情報、認知症の観察及び評価の結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を5年保管しなければならない。

(その他)

第16条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、「地域支援事業の実施について」(平成18年老発第0609001号)別紙「地域支援事業実施要綱」別記5の3によるものとするほか、市長が別に定める。

この告示は、平成29年3月1日から施行する。

(令和5年1月26日告示第25号)

この告示は、令和5年4月1日から施行する。

瑞穂市認知症初期集中支援事業実施要綱

平成29年2月22日 告示第33号

(令和5年4月1日施行)