○瑞穂市男女共同参画推進条例
平成22年12月17日
条例第32号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第8条)
第2章 権利侵害の禁止等(第9条・第10条)
第3章 基本的施策等(第11条―第18条)
第4章 瑞穂市男女共同参画推進審議会(第19条―第22条)
第5章 その他(第23条)
附則
我が国では、日本国憲法において、個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の批准や雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律、男女共同参画社会基本法の制定等、男女平等の実現に向けた取組みが行われてきた。
瑞穂市は、揖斐川、長良川が流れる自然豊かな地で、交通アクセスも良く、住宅地として発展を続けるまちであり、女性の社会進出が一層促進されつつある。本市が、さらに活力ある住みやすいまちとして発展していくために、今まで以上に男女がお互いの特性を認め合い、一人ひとりの個性や能力を十分に発揮し、対等な立場で家庭、地域、学校、職場等のあらゆる社会分野に参画し、ともに人としての責任を分かち合う共同参画社会の実現を目指している。
私たち市民は、「おもいやり」、「ささえあい」の精神に基づき、次世代を担う子どもたちのためにも、平和で生き生きとした夢のある社会の実現を求め、協働して男女共同参画の社会づくりを推進するため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関する基本理念を定め、市と市民、市民団体、教育関係者及び事業者(以下「市民等」という。)の役割を明らかにし、市が行う男女共同参画の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、その施策を市と市民等がともに総合的かつ計画的に推進することにより市における男女共同参画社会を実現させることを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって家庭、地域、学校、職場その他社会のあらゆる分野(以下「社会分野」という。)における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、ともに責任を担うことをいう。
(2) 積極的改善措置 社会分野における活動に参画する機会において、男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において、男女間の格差が生じていると認められている部分について、男女のいずれか一方に積極的に機会を提供することをいう。
(3) 市民 市内に住所を有し、勤務し、又は在学するすべての個人をいう。
(4) 市民団体 市内において自発的な社会活動を行う非営利の団体をいう。
(5) 教育関係者 市内においてあらゆる教育及び保育に携わる者をいう。
(6) 事業者 市内において事業活動を行っている個人及び法人その他団体をいう。
(7) ドメスティック・バイオレンス 配偶者又はパートナー等に対する身体的暴力、精神的暴力、経済的暴力及び当該暴力的行為に付随して生じる乳幼児又は高齢者への暴力的な行為をいう。
(8) セクシュアル・ハラスメント 相手の意に反した性的な言動又は性別の違いによる社会的な慣行により、相手方の生活環境を害し、又は当該相手方に不利益を与える行為をいう。
(9) 協働 市と市民等が、共通の目的を達成するために、継続的で対等な協力関係を形成し、それぞれが単独で行うよりもよい効果をあげるように、能力、情報等を提供し、協力し合うことをいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画の推進は、次に掲げる事項を基本理念として行わなければならない。
(1) 男女の人権の尊重 男女が個人として尊重され、社会分野において性別による差別的取り扱いを受けることなく、個性と能力が十分に発揮できる機会が確保されること。
(2) 社会における制度又は慣行についての配慮 性別による固定的な役割分担等に基づく社会の制度及び慣行が、男女の社会活動の自由な選択に影響を及ぼすことのないよう配慮されること。
(3) 政策等の立案及び決定への共同参画 市における施策又は事業者における方針の立案及び決定に、男女が対等な構成員として参画する機会が確保されること。
(4) 家庭生活における活動と他の活動の両立 男女が、相互の協力及び社会の支援のもとに、家庭生活における活動及び社会生活における活動に対等に参画することができること。
(5) 国際的協調 国際的な取組み及び在住外国人への理解のもとに、男女共同参画社会の形成のための取組みが行われること。
(市の責務)
第4条 市は、基本理念に基づき、男女共同参画の推進に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。
2 市は、男女共同参画の推進に関し、国、県及び他の地方公共団体と連携を図るとともに、市民等との協働に努めなければならない。
3 市は、率先して男女共同参画を推進する職場として、男女がともに働きやすい職場環境の整備等に取り組まなければならない。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念に基づき、男女共同参画社会の実現についての理解を深め、社会分野において男女共同参画の推進に努めなければならない。
2 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(市民団体の責務)
第6条 市民団体は、基本理念に基づき、男女共同参画社会の形成の促進に努めるとともに、当該団体の方針の決定、計画の立案等において、男女がともに参画する機会を確保するよう努めなければならない。
2 市民団体は、市が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(教育関係者の責務)
第7条 教育関係者は、教育及び保育の場において、男女共同参画の推進に配慮した教育及び保育を行うように努めなければならない。
2 教育関係者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策、調査等に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第8条 事業者は、基本理念に基づき、その事業活動において、男女が対等に参画し、能力を発揮できるよう努めなければならない。
2 事業者は、男女がともに、職業生活、家庭生活、地域生活等を両立できるよう職場環境の整備に努めなければならない。
3 事業者は、市、市民、市民団体、教育関係者及び他の事業者が実施する男女共同参画の推進に関する施策及び事業活動に協力するよう努めなければならない。
第2章 権利侵害の禁止等
(性別による人権侵害の禁止)
第9条 すべての人は、社会分野において性別による差別的取扱い又はセクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスその他人権を侵害する行為を行ってはならない。
(公衆に表示する情報に関する留意)
第10条 市及び市民等は、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担、暴力的行為及び性的いやがらせを助長し、又は連想させる表現並びに過度の性的な表現を行わないよう努めなければならない。
第3章 基本的施策等
(基本計画)
第11条 市長は、男女共同参画社会の実現のため、男女共同参画基本計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。
2 市長は、基本計画を策定するにあたっては、市民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。
3 市長は、基本計画を策定するにあたっては、第4章に規定する瑞穂市男女共同参画推進審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、基本計画を策定したときは、これを公表するものとする。
5 市長は、基本計画を変更するときは、前3項の規定に準じて手続を行うものとする。
(積極的改善措置)
第12条 市は、市のすべての委員会、審議会等における委員等を委嘱し、又は任命する場合は、積極的改善措置を講じて、男女の均衡を図るよう努めるものとする。
2 市は、あらゆる分野の意思決定の過程において、男女の参画する機会に格差が生じないよう市民等と協力し、改善に努めるものとする。
(情報の収集及び分析)
第13条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を策定し、かつ、実効性のあるものにするため、必要な情報の収集及び分析を行うものとする。
(広報活動等)
第14条 市は、男女共同参画の推進について市民等の理解を深めるため、広報活動の充実その他の適切な措置を講ずるものとする。
(学習の支援等)
第15条 市は、市民等が行う男女共同参画についての関心や理解を深めるための学習を支援し、家庭教育、学校教育、社会教育その他の教育において必要な援助ができるよう努めるものとする。
(推進体制の整備等)
第16条 市は、男女共同参画の推進に関する施策について、総合的かつ効率的に推進するため、その組織の充実及び強化に努めるものとする。
2 市は、市民等が行う男女共同参画の推進に関する活動の総合的な拠点機能を整備するよう努めなければならない。
(苦情、相談等への対応)
第17条 市は、市民等から市が実施する男女共同参画の推進に関する施策又は男女共同参画の推進を阻害する行為についての苦情、意見及び相談(以下「苦情等」という。)がある場合は、これを受け付け、関係機関と連携を図り、適切な措置を講じなければならない。
(公表)
第18条 市長は、毎年、基本計画に基づく男女共同参画推進施策の進捗状況について報告書を作成し、これを公表するものとする。
第4章 瑞穂市男女共同参画推進審議会
(設置)
第19条 市における男女共同参画の推進に関する総合的施策その他重要事項の調査及び審議等を行うため、瑞穂市男女共同参画推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、次の事項について調査、審議及び答申するものとする。
(1) 基本計画の策定及び変更並びに進捗状況に関する事項
(2) 第17条の苦情等への対応に関する事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、男女共同参画の推進に関する重要事項に関する事項
3 審議会は、前項に定めるもののほか、男女共同参画の推進に関する施策の実施について、市長に意見を述べることができる。
(組織)
第20条 審議会の委員(以下「委員」という。)は、15人以内で組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。
(1) 公共的団体等が推薦する者
(2) 識見を有する者
(3) 公募により選任された者
(4) 前3号に掲げる者のほか、市長が適当と認める者
3 委員は、広く各界各年齢層の中から適切な人材を選任するよう努めるものとする。
4 委員の委嘱については、公募制度の積極的な導入を図り委員の総数の2割以上を占めるようにするものとする。ただし、公募による委員がその定数に満たない場合は、他の方法により選任できるものとする。
5 男女いずれか一方の委員の数は、総委員数の10分の4未満であってはならない。
(任期)
第21条 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任することができる。
(会長及び副会長)
第22条 審議会に、会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は委員の互選によって定め、その任期は委員の任期による。
3 会長は、会務を総理するほか、審議会の会議を招集し、その議長となる。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
第5章 その他
(委任)
第23条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成23年4月1日から施行する。