○瑞穂市文化財保護条例
平成15年5月1日
条例第66号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 有形文化財(第4条―第11条)
第3章 無形文化財(第12条―第16条)
第4章 民俗文化財(第17条―第21条)
第5章 史跡名勝天然記念物(第22条―第25条)
第6章 瑞穂市文化財保護審議会(第26条―第32条)
第7章 補則(第33条・第34条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市内に所在する文化財のうち、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)の規定又は岐阜県文化財保護条例(昭和29年岐阜県条例第37号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外のもので、市にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民の文化向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で市にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で市にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で市民の生活の推移を理解するため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
(4) 貝塚、古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で市にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りょうその他の名勝地で市にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で市にとって学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)
(財産権の尊重及び他の公益との調整)
第3条 瑞穂市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 有形文化財
(指定)
第4条 教育委員会は、市の区域内に所在する有形文化財のうち、市にとって重要なものを所有者又は権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の申請に基づき、又はその同意を得て瑞穂市指定有形文化財(以下「市指定有形文化財」という。)に指定することができる。ただし、所有者等が判明しない場合は、この限りでない。
2 教育委員会は、前項の規定による指定をするときは、その旨を告示するものとともに、当該市指定有形文化財の所有者等に通知しなければならない。
4 教育委員会は、第1項の規定による指定をしたときは、当該市指定有形文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第5条 市指定有形文化財がその価値を失ったとき、市内に所在しなくなったときその他特殊の事情があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による指定の解除をするときは、その旨を告示するとともに、当該市指定有形文化財の所有者等に通知しなければならない。
4 市指定有形文化財について法第27条第1項の規定により重要文化財に又は県条例第3条第1項の規定により県重要文化財に指定されたときは、当該市指定有形文化財の指定は解除されたものとする。
5 前項の場合には、教育委員会は、当該市指定有形文化財の所有者等に通知しなければならない。
(所有者等の管理義務及び管理責任者)
第6条 市指定有形文化財の所有者等は、この条例並びにこれに基づいて発する教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、市指定有形文化財を管理しなければならない。
2 所有者等は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該市指定有形文化財の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 第1項の規定は、管理責任者について準用する。
(現状変更等の制限)
第7条 市指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。
(公開)
第8条 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者等に対し、6月以内の期間を限って、教育委員会の行う公開の用に供するため当該市指定有形文化財を出品することを勧告することができる。
2 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者等に対し、3月以内の期間を限って、当該市指定有形文化財の公開を勧告することができる。
3 市は、第1項の規定による出品のために要する経費の全部又は一部を負担することができる。
4 教育委員会は、第1項の規定により市指定有形文化財が出品されたときは、教育委員会事務局職員のうちから当該市指定有形文化財の管理責任者を定めなければならない。
5 教育委員会は、第2項の規定による公開及び公開に係る市指定有形文化財の管理に関し、必要な指示をすることができる。
(届出)
第9条 市指定有形文化財の所有者等又は管理責任者は、次に掲げる事項に該当するときは、速やかに教育委員会に届け出なければならない。
(1) 所有者等が変更したとき。
(2) 管理責任者を選任又は解任したとき。
(3) 所有者等又は管理責任者がその氏名又は住所(法人にあってはその名称又は商号)を変更したとき。
(4) 市指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、損傷し、亡失し、又は盗み取られたとき。
(5) 市指定有形文化財の所在場所を変更したとき。
(管理又は修理の補助)
第10条 市指定有形文化財の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者等がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、市は、その経費の一部に充てさせるため、当該所有者等に対し、予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理について指揮監督することができる。
(報告の徴収)
第11条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市指定有形文化財の所有者等又は管理責任者に対し、当該市指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
第3章 無形文化財
(指定)
第12条 教育委員会は、市の区域内に所在する無形文化財のうち市にとって重要なものを瑞穂市指定無形文化財(以下「市指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定により指定をするに当たっては、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体を認定しなければならない。
3 教育委員会は、第1項の規定により指定をしたときは、その旨を告示するとともに、市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあっては、その代表者)に通知しなければならない。
4 教育委員会は、第2項の規定による認定をしたときは、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体の代表者に認定書を交付しなければならない。
5 第1項の規定による指定をした後においても、教育委員会は、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。
(解除)
第13条 市指定無形文化財がその価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その認定を解除することができる。
3 市指定無形文化財が、法第71条第1項の規定により重要無形文化財に、又は県条例第7条第1項の規定により県重要無形文化財に指定されたときは、当該市指定無形文化財の指定は、解除されたものとする。
5 市指定無形文化財の保持者として認定されていた者又は保持団体として認定されていた団体の代表者は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに認定書を教育委員会に返付しなければならない。
6 保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したときは、市指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合において、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。
(保持者の氏名変更等)
第14条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したときは、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、市指定無形文化財を保持するものである構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(保持団体が解散した場合にあっては、代表者であった者)について、同様とする。
(保存のための措置)
第15条 教育委員会は、市指定無形文化財の保存に必要があると認めるときは、自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を行い、又は保持者その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(公開)
第16条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し教育委員会が行う公開の用に供するため、当該市指定無形文化財の公開を勧告することができる。
第4章 民俗文化財
(指定)
第17条 教育委員会は、民俗文化財のうち、市にとって特に価値の高いものを瑞穂市指定有形民俗文化財(以下「市指定有形民俗文化財」という。)又は瑞穂市指定無形民俗文化財(以下「市指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は、前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定をするときは、あらかじめ、指定しようとする有形の民俗文化財の所有者等の同意を得なければならない。ただし、所有者等が判明しない場合は、この限りでない。
3 教育委員会は、第1項の規定による市指定有形民俗文化財の指定をするときは、その旨を告示するとともに、当該有形民俗文化財の所有者等に通知しなければならない。
5 教育委員会は、第1項の規定による市指定有形民俗文化財の指定をしたときは、当該市指定有形民俗文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。
6 教育委員会は、第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定をするときは、その旨を告示しなければならない。
(解除)
第18条 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財がその価値を失ったとき、市内に所在しなくなったときその他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
4 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財が法第78条第1項の規定により重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財に、県条例第7条の6第1項の規定により県重要有形民俗文化財又は県重要無形民俗文化財に指定されたときは、当該市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財の指定は解除されたものとする。
(市指定有形民俗文化財の保護)
第19条 市指定有形民俗文化財に関し、その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするものは、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 教育委員会は、市指定有形民俗文化財の保護上必要があると認められるときは、前項の届出に係る現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し、必要な指示をすることができる。
(市指定無形民俗文化財の保存)
第20条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、市指定無形民俗文化財について自ら記録の作成その他その保存のため適当な措置を採ることができるものとし、その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができるとともに、市は、その保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
第5章 史跡名勝天然記念物
(指定)
第22条 教育委員会は、市の区域内に所在する記念物のうち市にとって重要なものを、所有者等の申請に基づき、又はその同意を得て、瑞穂市指定史跡、瑞穂市指定名勝又は瑞穂市指定天然記念物(以下「市指定記念物」という。)に指定することができる。ただし、所有者等が判明しない場合は、この限りでない。
(解除)
第23条 市指定記念物がその価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
2 市指定記念物が法第109条第1項の規定により史跡、名勝、天然記念物に、県条例第8条第1項の規定により県記念物に指定されたときは、当該市指定記念物の指定は解除されたものとする。
(土地の所在等の異動の届出)
第24条 市指定記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者等又は管理責任者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
第6章 瑞穂市文化財保護審議会
(設置)
第26条 教育委員会の附属機関として、瑞穂市文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
(所掌事務)
第27条 審議会は、教育委員会の諮問に応じて文化財の保存及び活用に関する専門的及び技術的事項を調査審議し、並びにこれらの事項に関し必要と認める事項を教育委員会に建議する。
(審議会への諮問)
第28条 教育委員会は、次に掲げる事項については、あらかじめ、審議会に諮問しなければならない。
(1) 市指定有形文化財の指定及びその指定の解除
(2) 市指定無形文化財の指定及びその指定の解除
(3) 市指定無形文化財の保持者又は保持団体の認定及びその認定の解除
(4) 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財の指定及びその指定の解除
(5) 市指定記念物の指定及びその指定の解除
(組織)
第29条 審議会は、委員10人以内で組織する。
2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、臨時委員を置くことができる。
3 委員及び臨時委員は、識見を有するもののうちから教育委員会が委嘱する。
4 委員の任期は、2年とし、その欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 臨時委員は、当該特別の事項の調査審議が終わったときは、退任するものとする。
6 委員及び臨時委員は、非常勤とする。
(会長)
第30条 審議会に会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、審議会の会務を総理する。
3 会長に事故があるときは、あらかじめ会長の指名する委員がその職務を代理する。
(議事)
第31条 審議会は、委員及び議事に関係のある臨時委員の過半数が出席しなければ会議を開き、議決することができない。
2 審議会の議事は、出席した委員及び議事に関係のある臨時委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
(事務局)
第32条 審議会の事務局は、教育委員会に置く。
第7章 補則
(委任)
第34条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成15年5月1日から施行する。
附則(平成17年3月28日条例第8号)
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成30年10月1日条例第21号)
この条例は、公布の日から施行する。