更新日:2019年2月8日

選挙運動と政治活動の違いは?

 政治上の目的をもって行われるいっさいの活動が政治活動と言われています。
 ですから、広い意味では選挙運動も政治活動の一部なのですが、公職選挙法では選挙運動と政治活動を理論的に明確に区別しており、それらを定義付けすると次のように解釈できます。

選挙運動

 特定の選挙に、特定の候補者の当選をはかること又は当選させないことを目的に投票行為を勧めること。

政治活動

政治上の目的をもって行われるいっさいの活動から、選挙運動にわたる行為を除いたもの。
 

選挙運動はいつからできる?

 選挙運動は、※1公示日(告示日)に※2立候補の届け出をしてから投票日の前日までに限りすることができます。それ以外の期間、例えば立候補届出前にする選挙運動は「事前運動」として禁止されています。
※1
立候補の届出は、公示日及び告示日の午前8時30分から午後5時までに選挙長に対して郵便等ではなく直接提出しなければなりません。
※2
選挙長に立候補の届出を提出しても、提出書類が揃っているか及び記載遺漏がないか等を確認がすまなければ、立候補の届出を終えたことにはなりません。

選挙運動の準備として認められているものは?(事前運動にあたらないもの)

 選挙運動をできる期間は限られていますが、選挙運動できる期間になってから準備を始めるのでは、十分な選挙運動ができないことになります。それでは、候補者の考え等が十分に選挙人に伝わらないおそれが出てきます。そこで、次のような行為は選挙運動の準備として事前運動とは見なされません。
  • 選挙事務所、自動車、拡声器、個人演説会場などの借入れの内交渉
  • 出納責任者や選挙運動員就任の内交渉
  • 選挙事務員、車上運動員(ウグイス嬢)の人選
  • 労務者雇入れの内交渉
  • 選挙演説出演者依頼の内交渉
  • 選挙運動用葉書の文案、印刷の手配や葉書による推薦依頼の内交渉
    ただし、事前に葉書を渡すことはできません
  • ポスターの作成
  • 立札、看板、ちょうちん、タスキなどの作成
  • 選挙運動資金の調達
  • 政党の公認を求める行為
※以上のような行為が選挙運動の準備として認められるのは、直接選挙人に対して投票を依頼する行為ではないからですが、これらの行為と併せて投票依頼などを行えば、事前運動になる可能性があります。

候補者が行う選挙運動とは?

 公職選挙法により認められた候補者が行う選挙運動は、ポスター等の印刷物や演説会等の言論などによって行われますが、その方法の主なものは次のとおりです。ただし、選挙の種類により、その方法、あるいは数量や規格などが異なるものがあります。 
  • 選挙事務所の設置
  • 選挙運動用自動車の使用
  • 選挙運動用はがき
  • 新聞広告
  • ※1ビラの配布(衆院選・参院選・知事選・県議選・市長選・市議選)
  • ※2選挙公報(衆院選・参院選・知事選・県議選・市長選・市議選)
  • ポスターの掲示
  • その他インターネットによる選挙運動
  • 街頭演説
  • 個人演説会
※1
ビラの配布は、平成31年3月1日以降に告示される都道府県又は市議会の議員選挙でもできるようになりました。
※2
市長選挙及び市議会議員選挙は、条例の制定がされていますので、選挙公報を発行することができます。

インターネット選挙運動の解禁について

 平成25年4月19日、インターネット選挙運動解禁に係る公職選挙法の一部を改正する法律が成立しました。 詳しくは総務省インターネット選挙運動の解禁に関する情報をご覧ください。
 

やってはいけない選挙運動?

次のような選挙運動は禁止されています。

買収

選挙犯罪のうちではもっとも悪質なものであり、法律できびしい罰則が定められています。
候補者はもちろん、選挙運動の責任者などが処罰された場合は当選が無効になることもあります。

戸別訪問

誰であっても、特定の候補者に投票してもらうことを目的に、住居や会社、商店などを戸別に訪問することは、選挙運動期間前に限らず、期間中も行うことができません。
また、特定の候補者名や政党名あるいは演説会の開催について言い歩くこともできません。

あいさつを目的とする有料広告

候補者や後援団体(特定の候補者を推薦し支持する団体)は、選挙区内にある者に対し、時候、慶弔や激励などのあいさつを目的とする広告を有料で新聞、雑誌に掲載したり、テレビやラジオで放送したりしてはいけません。

飲食物の提供

誰であっても、選挙運動に関して飲食物を提供してはいけません。
ただし、お茶や通常用いられる程度のお茶菓子や果物は除かれています。
また、選挙運動員に渡す一定の数の弁当は提供することができます。

署名運動

誰であっても、特定の候補者に投票をするように、あるいは投票しないようにすることを目
的として選挙人に対し署名を集めてはいけません。

気勢を張る行為

誰であっても、選挙運動のため人目を引こうと自動車を連ねたり隊列を組んで往来したり
してはいけません。

選挙後のあいさつ行為の制限

誰であっても、選挙後は、選挙人に対して、当選または落選に関してのあいさつをする目
的で、次の行為をすることはできません。
選挙後とは、投票日当日の投票所が閉ざされた時刻以降のすべてをいいます。
  • 選挙人に対して、戸別訪問をすること。
  • 文書図画を頒布したり、掲示すること。
    (※一部インターネットにおいて制限が解禁されています。)
  • 新聞紙、雑誌を利用(広告)すること。
  • 放送設備を利用して放送すること。
  • 当選祝賀会その他の集会を開催すること。
  • 自動車を連ねたり、隊伍を組んで往来するなど、気勢をあげること。
  • 当選したお礼に当選人の氏名、または政党、政治団体の名称を言い歩くこと。
 ただし、次のものはさしつかえありません。
  • 自筆の信書(不特定多数人に宛てた文書は禁止されています。)
  • 選挙人からの当選の祝辞、落選の見舞いなどの答礼のための信書(自筆でも印刷でもさしつかえありません。)

寄附金について

禁止される寄附は?

 公職の候補者等(現職にある者や候補者及びこれから立候補しようとしている人をいいます。)は、選挙区内の人などに対して寄附をすること(政治団体や親族に対するもの及び政治教育集会などに関する必要やむを得ない実費の補償を除きます。 なお、この場合であっても、食事は提供できません。)は禁止されています。また、第三者が公職の候補者等を名義人とし、選挙区内の人たちに対する寄附をすることも禁止されていま
す。
 ただし、公職の候補者等本人が自ら出席する場合に限り、結婚披露宴における祝儀及び葬
式や通夜における香典(花輪、供花等はできません。)は、通常一般の社交の程度を超えないものであれば出すことができます。また、公職の候補者等の後援団体が選挙区内の人たちに対し行う寄附も、同様に禁止されています。
 もちろん、選挙人も候補者等に対し、寄附を求めることはできません。